FFmpeg のビデオフィルタで concat の後の tpad が無効になる問題が version 5.0 で解決されていた

試した環境

本題

FFmpeg のビデオフィルタにおいて、連結フィルタの concat とパディングフレームを挿入するフィルタの tpad を両方使うとき、concat から tpad の順番で使用すると tpad が処理されないような挙動になる問題がありました。 その問題が version 5.0 で解決されていました。

set FFMPEG44=.\ffmpeg-4.4.1-essentials_build\bin\ffmpeg.exe
set FFMPEG50=.\ffmpeg-5.0-essentials_build\bin\ffmpeg.exe

%FFMPEG44% -f lavfi -i testsrc=s=320x240:d=5 -f lavfi -i testsrc2=s=320x240:d=5^
    -filter_complex "concat,tpad=stop_duration=5"^
    output44_0.mp4
%FFMPEG44% -f lavfi -i testsrc=s=320x240:d=5 -f lavfi -i testsrc2=s=320x240:d=5^
    -filter_complex "[1]tpad=stop_duration=5[v],[0][v]concat"^
    output44_1.mp4
%FFMPEG50% -f lavfi -i testsrc=s=320x240:d=5 -f lavfi -i testsrc2=s=320x240:d=5^
    -filter_complex "concat,tpad=stop_duration=5"^
    output50_0.mp4
%FFMPEG50% -f lavfi -i testsrc=s=320x240:d=5 -f lavfi -i testsrc2=s=320x240:d=5^
    -filter_complex "[1]tpad=stop_duration=5[v],[0][v]concat"^
    output50_1.mp4

上記の4つのコマンドですが、テスト動画1(5秒)→テスト動画2(5秒)→黒(5秒)の計15秒の動画が出力される想定のコマンドです。 しかし一番上のコマンドでは tpad の処理がされないような挙動になり、テスト動画1(5秒)→テスト動画2(5秒)の10秒の動画が出力されます。
FFmpeg version 4では想定する動画を出力する場合、先に tpad フィルタを通してから concat フィルタを通すという方法を採らなければなりませんでした。(2番目のコマンド)

FFmpeg version 5.0 ではconcat から tpad の順番で使用しても想定通りのテスト動画1(5秒)→テスト動画2(5秒)→黒(5秒)の計15秒の動画が出力されます。(3番目のコマンド)
もちろん一番下のコマンドのように、先に tpad フィルタを通してから concat フィルタを通すという方法でもテスト動画1(5秒)→テスト動画2(5秒)→黒(5秒)の計15秒の動画が出力されますが、3番目のコマンドが一番素直な書き方だと思います。

参考

https://ffmpeg.org/ffmpeg-filters.html#concat

https://ffmpeg.org/ffmpeg-filters.html#tpad